柚の樹の想い


少女から大人へ変わりゆく表情を

鮮やかな記憶として残したい

 

七五三が終わり成人式までのあいだ
多くのお嬢さまに
着物を着る機会がありません

幼い女の子だった子が少女になり
どんどん大人びて、美しくなっていくさまを
鮮やかな記憶として残したい

それが柚の樹の想いです


これから訪れる
ハーフ成人式、小学校卒業、十三詣り、
中学校・高校・大学、専門学校の
ご入学、ご卒業───

 

節目節目にお着物を着て
思い出のひとコマのお手伝いができたら
こんなに嬉しいことはありません

 


「着物を着たい」

すべては、そこからはじまりました

 

ある日、母の和箪笥で見つけた振袖に

一瞬で心を奪われました

 

豪華な金駒刺繍

迫力ある美しい柄

他の着物とは別にして

大切に仕舞われていたとわかるその着物に

「着てみたい」という気持ちを

おさえられなくなっていました

 

聞けば、それは母が成人式に着たもの

仕立て直して着ると言うと
祖母と母は心から喜んでくれました


それだけではありません

母の和箪笥のなかには
しつけ糸もとっておらず
全く袖を通していないたくさんの着物がありました


「いつか、ぜんぶ着る」
そう心に決めて着物の世界にのめり込んでいきました

わたし自身、着物を着ることが大好きです
手を袖にとおした時の絹のやわらかさ

帯を締めて背すじがぴんとする感じ

そんな気持ちをまだ知らない方に
味わってもらいたい

それが、柚の樹をはじめた理由


着物を着せてもらったときの
嬉しそうな顔を見るのが何よりの喜びです


先人たちの美や技術を

次世代へ受け継いでいきたい

 

柚の樹に欠かせないたくさんの小物たち
合わせる小物ひとつで着物が一層引き立ちます

よりよいスタイリングをお届けするために

自分の思い描く小物をイチから製作してもらおうと思いました。

小物づくりを依頼するにあたり
ひとつ心に決めていたことがあります
それは可能なかぎり
今ある素材を活かすということ
アンティーク着物は
一般的に〜大正、昭和初期頃に
つくられた着物を指します
当然ながら経年による劣化で
着られる状態のものばかりではありません
それでも大切に箪笥にしまい
受け継がれてきたものを
次へ繋いでいきたいという思いで
作家さんに小物製作をお願いしています
ありがたいことに
この考えにご賛同いただき
大切な布地をご提供くださる方や
製作を引き受けてくれる作家さん
多くの方のおかげで
想いをつなぐことができています
アンティーク・ヴィンテージに限らず
眠っていた着物や帯が
新たなカタチになり
新たなお役目を担う
私はそのバトンを受け取り
柚の樹のお着物を着てくださる方へ
お届けしています